2009年06月27日

ライフサイクル

kinukobai.jpg
ひとりの人間が一生のうちに手に入れるものの中には、人間よりも寿命の長いものが、たくさんあります。

今日打ち合わせしたお客さま、着物を誂えるということに関して、こんなことをおっしゃっていました。

例えば母が思いをもって誂えた着物。
いくら頻繁に着ても、いいものは美しく古びて、形を変えて使えて、決して廃れない。

だから、娘が引き取って着る。孫娘が受け継いで着る。

受け継いだほうは、誂えたひとりの女性の思いや、着姿の記憶まで一緒に受け継ぐ。

着物を誂えるということはそういうこと。

・・・思いは熱く、でも自分がされて嫌な勧め方をしない、というポリシーを持つ表参道「染一会」(そめいちえ)の野村さんでした。

写真は、ふと目が留まった夏ものの反物。
シルクの、凹凸のある織りに、手染めで柄が展開されたもの。凹凸があるので「勾配」、それじゃ面白くないというので「絹紅梅」というそうです。

ちなみにちょっと良いジャケットくらいの価格でした。
ジャケットが5年も経つとパターンが古くなって着られなくなることを考えると、値頃感たっぷりです。
【あてなりな日々 / Serendipityの最新記事】