2019年02月10日

雪責に琴責

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梅の蕾がかすかに微笑んだ日。
仕事を早めに切り上げて国立劇場へ出かけました。

年末に玉三郎さんの阿古屋を観て、もとの文楽バージョンも機会があれば見てみたいと思っていたのですが、機会はすぐに来ました。(珍しく!)

人が演じるそれよりも、人形の阿古屋から気丈さを感じるのが不思議でした。太夫さんの力でしょうか。
器楽演奏を人形でどこまで表現できるのかとても興味があったのですが、その細やかさが感動的。 観客が息を詰めて見守る中、琴爪をゆっくりと装着し、右手と左手をちらちら目配りしながら、弦を弾いたり押さえたり。

琴から三味線、胡弓と進むうちに引き込まれ、観客が岩永を笑った時に、はっと我に返ったくらい。笑いどころを見逃すのは悔しいものの、字幕の字面から言葉の綾を探ろうと欲が出るし、胡弓の演奏が素敵だったので奏者のほうも気になるし。
なんだかきょろきょろと忙しく、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

この日のもう一つの演目は雪責め。降りしきる雪のなか、継母といじめられる姫と庇う女の、切迫した掛け合いを語る太夫さん。本当に一人の人間なのかと思いました。すごかったです。

何かをきっかけに、興味がつながるままに追いかけてゆくのは楽しい遊び。

いい夜になりました。

2019年02月04日

立春

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今日は立春。

春からはじまる新しい一年。

「一年の計」は今頃でちょうどよいのかも、と思います。
みなさまに福おおく、おとずれますように。

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あちこちで、春の兆しを発見しては喜ぶ。
寒がりにも、ぶらぶらと外歩きの楽しい季節です。

今日の東京は暖かくなりそう。

2019年01月09日

work in progress

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お正月ごろの、制作風景。

筆先の1mmほどを使って、花びらを一枚ずつ繊細なグラデーションに仕立てています。
ルーペを覗き込んだり、少し離してみたり、チェックしながら進みます。

筆跡がそのまま残るから、近道も廻り道もよろしくない。
自分のペースに集中します。

開花予定はおよそ二週間後。
楽しみだわ!

2018年12月27日

忘れえぬ風景

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Bunkamuraでトレチャコフ美術館展を見てきました。
買い集めた西欧絵画のコレクションが主体だと思い込んで、特に関心をもっていなかったのですが、先月東急本店のお客さまからロシア画家の作品ばかりだと伺い、俄然見る気満々に。

ロシアの四季の風景の一部は思ったよりはるかに、心に迫るものがありました。

湿度を感じる森林風景は、作者の表現したいことが痛いほど解り、乾いた大丘陵や帆船のゆく大海原は、ただの室内用風景画に見えます。
結局自分の人生の早い時期になじみのある風景に共感するのかもしれません。
私の場合は六甲山系といったところ。あらゆる季節、時間の森林風景に心当たりがあります。

「芽吹き」「雨の樫林」「静かな湖」が特に気に入って、じっと見入ってしまいました。
あと「楽しいひととき」は描かれた子供の可愛らしさが半端なく、絵の中に飛び込んでムギュッとしたいくらい。数少ない女性画家の作品です。

そうそう、展示室で面白いおじさんを見かけました。
ソファにじっと座ってうっとり中空を眺めているのですが、中空だと思った視線の先には「忘れえぬ女」の眼差しが・・・ 見つめ合い?

久しぶりにしっかり絵画を見ました。楽しかった。
いつかモスクワでカンディンスキーもマレーヴィチも含め、もっといろいろな所蔵品を見てみたいです。

(写真はミュージアムの入り口に佇んでいたロシアのチェブラーシカ)

2018年12月21日

冬の旅

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ミルキーなブルーのレイヤー。
リゾート感漂う台湾の東海岸、この先には先住民が暮らす島があります。
今回は冬の荒天で島行きをあきらめましたが、その代わりに冬ならではの発見がありました。

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扱いかたが難しく、青果市場にあまり出回らないという「釈迦頭」は冬限定の美味しいフルーツ。
初めて頂きましたがこれが絶品。 次の台湾行きもきっと冬にします。


今回の旅の目的のひとつは、台中の国立自然科学博物館。
政府が認定したものだけでも10以上ある台湾先住民族の暮らし、台湾が北限とされるオーストロネシア語族の他の地域の文化、現在の台湾に広く定着している大陸の文化について、その一片に触れることが出来ます。

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「Piupiu」というこの素敵なスカートは、オーストロネシア語族の南限とされる、マオリの伝統衣装。
亜麻の茎の、チューブ状の部分と繊維状に加工して黒く染色した部分とが規則的に並んで、ストライプに。
なんて洗練されたデザイン。



街なかのあちこちに唐突に在る、信仰の場所があまりに凝ったつくりでびっくり。
時々、関羽・関平・周倉の3つの像が並ぶのを見つけて、三国志好きは小さく喜びます。

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旅先での出会いはいつも、また次の旅へと誘ってくれます。

2018年11月15日

ショコラ

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製作中の風景ですが、こうして撮ると、甘くて苦くて口溶けのよいお菓子みたい。

あらゆる自然のモチーフを様々にデザインして装いに、住まいに、取り入れてきた日本の文化。

これは氷を抽象的にデザインした文様です。

もうすぐ和装用の装身具に仕上がる予定。
どんなコーディネートが生まれるか、今から楽しみです。

2018年11月10日

箱根でオパール

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しっとり小雨模様の箱根。紅葉が始まっていました。

今回はまっすぐラリック美術館へ。オパールを取り入れた装身具と、オパールセントガラスの作品が見られる展示会が旅の目的です。

ルネ・ラリックが宝飾品デザイナーからガラス製品のデザイナー・経営者へ転向を始めたのは50歳を目前にした頃だそう。

19世紀から20世紀への変わり目は人の暮らしも求められるものも大きく変化し続けた、激動の時代。

時代と生きたデザイナーの、普遍的な魅力をもつ作品に、刺激をたくさんもらった一日でした。

2018年11月02日

エキゾティック モダン

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秋空が爽やか!
庭園美術館の「エキゾティック・モダン」展に出かけました。
1900年代初頭の、パリにおけるエキゾティシズムを多彩なモノで辿る展覧会です。

この日の目当てはジャン・デュナンの漆芸作品。
菅原精造から漆工芸を学び、もともとの専門分野の彫刻・金属工芸と併せて表現の領域を広げたひと。

装飾パネルと大型の屏風が展示されていましたが、どちらもしばらく眺めていたくなる(眺めていました)、素敵な作品でした。
特に装飾パネルの『栗の木』は、庭園美術館の内装のなかで見ることに意味がある感じ。幸せなひとときを過ごすことができます。
隅っこのサインの下に「漆芸家」と描かれたのをみながら、ジャン・デュナンの、邸宅や客船の内装の仕事をもっと知りたいと思いました。

この日は前日にGINZA SIXのアールグロリューで、傷ひとつ塵ひとつ曇りひとつない手のひらサイズの漆芸品を見たばかり。
どちらもそれぞれのスタイルがあって素晴らしいのです。
改めて、漆っていいなと思った2日間でした。

天気が良いので庭園のほうもぐるり回りましたが、紅葉はまだまだ。
仕方がないから迎えに行きます。

2018年09月29日

鎌倉にて


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久しぶりの鎌倉。

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水のある場所は落ち着きます。


今回の目的は 鎌倉歴史文化交流館 で展示中の、中世の漆器を見ること。
水気の多い鎌倉の環境のおかげできれいに遺っていた、何百年も前の「ふだんづかいの器」。黒地に赤の漆絵で、豊富なパターンが描かれています。

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例えばこの松のモチーフ。この表現、面白いです。

他の展示品には唐物の彫漆と、それを模した鎌倉彫もありました。
ふたつ比べると質感の違いがはっきり。漆を重ねたものは透明感と、表面反射だけでない深い艶があって、ふと『陰翳礼讃』の羊羹のくだりを思い出します。

また、この館の常設展は地域の出土品や現存しない重要建造物についても知ることができるので、興味のある方にはお勧めです。

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ついでにぐるりとたくさん散歩して、美味しいものも。
晴天に金木犀の香る、秋らしい良い一日でした。