2020年07月07日

七夕

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定番の星のピアスが、今日はちょっと特別に見えます。
星は人が思いを託す、確実で美しいもののひとつ。

新暦では梅雨どきにあたり、明るい星はあまり望めませんが、時には見えないいろいろなものに思いを馳せてみるのも良いかもしれません。

さらさら鳴る笹の葉に、短冊ひとつつけるなら何を願うか考えてみたり。


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最近のお気に入り。
くりぬいた柑橘の中にプーアール茶を詰めてあります。
身体を温めてくれる上、爽やかな香りが夏にぴったり。

この時期はこれから本格的な夏へ向かう、一年の折返しでもあります。
向こう半年も健やかに過ごせますように。

結局今年の願い事はこれかな。
タグ:ピアス

2020年07月02日

きもの展

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日時指定の事前予約制になり、快適に見られるようになった東京国立博物館に出かけました。

会場にはおもに16世紀以降に作られた華麗なきもの、装身具がずらりと並びます。
知らなかったことをいくつも発見、新しく疑問もわいて、久しぶりに博物館の楽しさを堪能しました。

第三章の「男の美学」は特に面白かったです。
織田信長の陣羽織(よくぞ残った!)、江戸の火消しの袢纏(着てみたい!)、杣田細工の印籠(ただすごい!)。
いずれも突き抜けたこだわりが、爽快でした。

女性のきものでは、安土桃山時代の小袖がモダンで可愛らしくて、新鮮です。
時代が下るにつれ豪華さや技巧に取って代わられ失われる、新鮮さ。あれは一体何でしょう。謎です。

花魁の髪飾りの展示は迫力がありました。
風俗画と並んで現物の展示があり、その実物のボリューム感から当時の白べっ甲への執着が伝わってきます。
それを見ていて、最初に出島にダイヤモンドが持ち込まれた時は日本人の関心を引かなかったと、何かで読んだのを思い出しました。グローバルスタンダードと無縁の、独自の価値観。面白いです。

会場の最後には、現代に生きる作家やデザイナーの手掛けたきものが展示されています。
そのエリアで見えてくる、きものの未来もあります。

きもの展は東京国立博物館にて8月23日までの予定だそう。
作品リストによると、何度か展示替えがあるようです。この夏のあいだにぜひ。

2020年06月24日

黒い瞳

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黒い瞳に合うネックレスは、黒蝶真珠のケシと黒い漆で、華やかな黒がポイント。

秋冬シーズンに向けて、「似合う」をもう一段階引き上げる、新しい考え方でジュエリー製作を進めています。


先日は久しぶりに、映画館へ。
『パプーシャの黒い瞳』を岩波ホールで観てきました。

ロマ(ジプシー)の女性パプーシャの属する社会の営み、そして彼女の詩が世に出たときの、その社会の反応が描かれた2013年のポーランド映画です。
大きな美しい風景、火、魅力的な音楽、わざわざ映画館で見て良かったなと思いました。

岩波ホールではしばらく、旧作が週替りで再上演されています。
6月27日からの1週間は『残像』。

ここ数年で心に残った映画のうち、この『残像』と『COLD WAR』はポーランド映画でした。
或る人が社会によって自由と尊厳が損なわれていると感じたとき、自分を通す方法がこのふたつで比較できて面白かったです。


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重なるときは重なるもの。
最近の一冊もポーランド作家のものでした。
タグ:ネックレス

2020年06月12日

松濤で真珠展

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松濤美術館へ出かけてきました。
美術館へ行くのが久しぶり過ぎて、単眼鏡を忘れそうに。危ないあぶない!

展示品の大半は、ミキモト真珠島博物館と穐葉アンティークジュエリー美術館からのものでした。

カステラーニ工房と工房出身のカルロ・ジュリアーノの作品は、古代から中世の宝飾品をお手本にした端正な佇まい。
でももちろん単なる復古趣味ではなく、途絶えた技法の復刻を含めた高い技術力でモダニティ(19世紀製)が実現しています。

展示品には、ハーフパールが使われたものがたくさんありました。

質とサイズが吟味されて、きちんと爪で留められたハーフパールは、端正で美しいです。
ミキモト装身具の「シロツメグサ」は素敵でした。製作は1993年と新しいですが、図案は1910年製とのこと。この時代のトレンドを思わせる、軽やかさと優雅さが魅力的。
例えば華奢な身体につけるブローチには、ハーフパールは一つの正解のように思えます。

最後の展示室は、真珠養殖の技術について解説されています。

以前から、日本で養殖するあこや真珠の核にわざわざミシシッピ川から運んできた貝を使う理由がずっと謎だったのですが、展示会場で貝の現物を見てようやく納得。
小さいのに厚みがすごい。組織も均一に見えます。

帰宅後にインターネットで真珠核産業のことを少し調べてみたら、こちらもまた奥深い世界。面白かったです。
特にあこや真珠は真珠層が薄く核が透けて見えるため、核の品質には大変気を使うそう。

この展示会は、真珠を身につけていると入館料が200円オフになります。
知らずに伺ったのですが、もちろん着けていたのでめでたく割引に。

「真珠ー海からの贈りもの」展は渋谷の松濤美術館で9月22日まで開催中です。

2020年05月09日

光のキャンバスをつくる

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漆で下塗りしてなめらかな面を作ったあと、金箔を貼る作業。

今日は貼るぞ、という日は朝から何となく落ち着かない気分。
私にはとても緊張する工程で、最中は呼吸しているかどうかも不明です。

金を延ばして叩いて、極限まで薄く加工したのが金箔。
漆芸用の一般的な金箔は、光がかなり透けてみえるくらい、薄いです。

今回は1週間ほどかけて2回貼り重ねてから次の工程へ進みます。


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5月10日は母の日。
アテナリオンラインショップでは、母の日の贈り物にお勧めのジュエリーをセレクトして販売中です。
シルクコードプレゼント&国内送料無料は、明日いっぱいで一旦終了になります。

詳しくはこちらの過去記事を、ご覧ください。


では、今日も良い一日になりますように!

2020年05月01日

今週の読書

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ヘビー級の『接続性の地政学』『ゾミア』の後、軽めのを読みたくて注文した本。

困難にブロックされたままにならないこと。教育環境の大切さについて。
レバノンを含む中東の現代史にも少しだけ触れられます。

関西暮らし時代の話もあって、カナディアンアカデミーという単語で一瞬子供時代にワープ。
懐かしい。(自分は通っていませんけど)

女性らしい強さ賢さに、清々しい気分になれる本。お勧めです。


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今日も良い一日になりますように!

2020年04月27日

work in progress

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ふたたび製作過程のご紹介です。
写真で手にしているのは筆ではありません。
さて何でしょう?


答えは鯛の歯です。 正しくは、鯛の歯を筆軸にくっつけたもの。
鯛牙(たいき)といって、蒔絵技法には欠かせない一般的な道具です。

蒔絵は金属粉を蒔いて、磨いて仕上げます。
金も銀も純度は高い(100%)のですが、所詮粉なので、磨いても無垢の金属に比べれば質感はマットです。

そこで、一通り仕上げた後に、もう少し光らせたいなと思った部分は、この鯛の歯で表面をさらさらと擦って、磨くことがあります。凹凸をつぶして滑らかにする感じ。

細かい部分にも、痒いところに手が届くようにこの小さくて硬い鯛の歯が活躍します。
ごく細い線も、仕上げにちょっと擦ればフォーカスが合ったように全体が引き締まります。


天然の鯛はちょうど今が旬。
先日もお魚屋さんで立派な鯛を頂きましたが、それでも歯の大きさは、この道具を作れるほどではありませんでした。

この歯の持ち主は元々どんな大きさの鯛だったのか?なぜ他の魚でなく鯛が使われるのか?
この道具を使うときはいつも考えます。


ちなみに正教会のイコンの背景によくある金箔貼りも、仕上げに似たような磨きの作業があるそうです。
以前イコン画の美術展でイコンの背景金箔磨き道具(何か固有名詞はないのかな)を見ましたが、牙のような形状にカービングされためのうでした。
昔はなにかの動物の牙を使っていたのではないかと勝手に想像しています。


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では心身健やかに、一週間をお過ごしください。

2020年04月22日

work in progress

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輝きかたの違う2種類の貝のコンビネーション。
以前から試してみたかったので、どんな仕上がりになるか楽しみ。

しかしこの作業、ルーペ越しなので眩しくて仕方ありません。
製作中、角度によっては本当に目がくらみそうになり、慌てて向きを変えたりします。

小さくても存在感があるのはこの光の強さゆえですね。


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最近の朝の楽しみだったのに、終わってしまった連載。
実物の、細かいところを眺めたくて仕方ない画ばかりでした。

名残惜しさに、本棚からこんなのを引っ張り出してみたり。

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今日もよい一日になりますように。

2020年04月14日

引き締めの効果

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花に見える葉の部分は、立体感がもう少しほしい。
きゅっと印象を引き締めるためにも葉脈を控えめに描きたいと思います。

控えめな線に仕上げるには、まず細く描きます。

細い線が描ける筆は、バレエ団に例えると「プリンシパル」。
アテナリには20本ほど所属していますが、プリンシパルは1〜2本です。
全ての筆がコール・ド・バレエからスタートして、たいていソリストを経てプリンシパルに選ばれます。
プリンシパルでいられるのは長くても1年くらいなので、人材ならぬ筆材の確保には常に気をつけています。
もちろんどのポジションも製作に必要です。

さて細いきれいな線が描けたら、細かい蒔絵用の金属粉を撒きます。今回は純銀粉。

蒔絵用の純銀粉は粗さが20種類あります。
今回は細かいほうから2番めのものを使うことに。

描く工程はこれでおしまい。
あと3つほどの工程を経て、仕上がりです。

仕上がったものを「商品」にするためのあれこれも同時並行で進めます。

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注文していた桐箱、届きました!
外出を減らして仕事を続けるための、インフラを支えて下さっている方々に感謝。