2019年07月09日

ダチョウのこと

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ニセコのダチョウ農園にて。
彼らはほんとうに見飽きない面白い鳥です。

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季節のせいか気が立っている者もいて、それがまた見もの。
威嚇のために広げた翼が、無駄に優雅です。

そういえば小学生の頃、動物園での写生会でダチョウを描きました。

顔が面白くてアップ気味に描き始めたら画用紙に胴体が入らず、首だけで終わるわけにはいかないと無理やり胴を描き込んで、予定通り「寸足らずですね」と評をもらいました。


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巨大な卵は世界最大の単細胞だそうで、白くて厚い殻は世界各地で工芸品になります。
こちらは先日「ビーズ展」で見た、ボツワナのダチョウ卵殻のビーズ。

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丁寧に形を合わせて磨いて、デザインも洗練されていてキレイでした。

卵の使いみちは他にもあり、伺った農園ではダチョウの卵を使ったお菓子を作っています。
出来ることなら目玉焼きを見てみたいものです。

2019年07月08日

北へ

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雲のからむ羊蹄山。
刻々と変化するのが面白くて、一日眺めていても全然飽きない。

ひととき東京をはなれ、大きな景色の中で過ごしました。

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高地にある湿原は、ちょっと等伯風。
霧にとけかかった、神秘的な蝦夷赤松にうっとり。

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ラベンダーの香り、フレッシュなチーズ、鳥の声の響きなどで、五感すべてリフレッシュできました。

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なにか御用? って顔をしている、この方達のことはまた改めて。

2019年06月29日

世界の絣

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来場者がいつもより多国籍だったような。
新宿の文化服装服飾博物館では、9月10日まで世界中の絣を見ることができます。

無数にある色柄のうち、いつ見ても一番のお気に入りは、インドネシア〜フィリピンあたりの昔のもの。

大胆なアフリカの藍、風を感じる琉球諸島の薄物、南アジアのコクのある絹絣、それぞれに素敵で見応えがあります。


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これはウチのかわいい子。
触っていると眠くなるほど気持ちの良い絹絣、カンボジアのピダン。
人物や動物が織り込まれた大判のテキスタイルで、お寺に奉納され天井を飾る目的で作られたそう。
織られた色柄は味わい深くて、ほんとうに見飽きないです。

土地に固有のライフスタイルや素材、作り手と求める人の情熱の交感。
条件が整ったときだけに生まれる美しさ、大切にしたいと思います。

2019年06月17日

今年は西遊記

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満員御礼!
上海京劇院の西遊記。

三蔵法師が天竺へ行くことになるいきさつ、孫悟空と三蔵法師との出会いなど、西遊記のエピソード・ワン的なパートでした。

歌と楽隊のシンクロ具合はいまいちなのに、武生(ウーション・立ち回りの役)のキメと楽隊の息の合わせ方は胸がすくほど完璧。
そして、バレエもそうですが、難度の高い型が滑らかさを伴なったとき、鍛錬に支えられたエレガンスを感じるのが好き。
eleganceの言葉の意味に「優雅・上品」と「正確さ」のふたつがあること、とても良く理解できます。

カーテンコールで拍手しながら、いつまでも良い舞台を見たいなと思いました。

高いレベルを目指す若い人が、これからもたくさん出てきますように。
未来の観客は祈るばかりです。

2019年06月13日

野蛮と洗練 加守田章二の陶芸

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模型のようなビル群のなかの、オアシス。
智美術館で加守田章二の陶芸展を見てきました。

パンフレットに載っている写真も素敵でしたが、実物のほうがずっと良かった!
照明の効果で現れる陰影、ガラスを隔てないことで感じられる肌目が心地よく、足を運んでよかったと思いました。

加守田章二は独立後20年で病を得て、「これからという時に・・」と言われつつ生涯を終えます。

誰にも約束された時間などないのが人生。
探究心が形になったような作品群が、陶器ではなくただ生きた跡のように見えてくる、濃い展示会でした。

2019年05月31日

ビーズ展

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国立科学博物館のビーズ展へ出かけてきました。

この日一番気になったのは写真のタマサイ。アイヌ伝統の首飾りです。
トップ部分は金属製であることが多いのですが、これは漆器(多分、お椀のフタ?)を改造して使っています。珍しい。

ある時期、交易によって得られた和製漆器はアイヌ民族の富の象徴であり、神事に使われることもあったそう。

神聖視するものを身体の真ん中に配置するための装身具をもうひとつ。

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これはエクアドルから。
綺麗な鳥の羽根・・・と思ったら、鳥そのものでした。びっくり!

ビーズ、というと手芸材料を連想しがちですが、糸が通る穴をあけて実際に使われているありとあらゆるもの(あらゆる貝に種、魚のウロコに鉄くず、蜂の頭にヒトの歯・・・) が世界中から集まっていて、ビーズ文化の広さ深さが堪能できます。


ビーズ展の後はクリムト展へ。
発見がないわけではなかったけれど、ビッグネームの展示会は混みすぎで、そこで過ごす時間が豊かに感じられないのが不満。

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このポスター付近では、どこへ逃げてもユディトに見つかるしくみ。
夜に下からライトアップされていたら、きっと怖い!(でもちょっと見てみたい)

2019年05月30日

永青文庫にて

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いつもお世話になっている方のお勧めで、高野松山展へ。
永青文庫のあたり一帯は、緑薫る・・どころではない、むせるような草木の香りに満ちていました。

高野松山は熊本出身で、細川護立の用心棒(!)兼漆芸家として細川邸内に住まいながら年に1〜2点を製作し、昭和30年に蒔絵の人間国宝になったという面白い人。

エピソードには事欠かず、蒔絵に使う金粉を一粒ずつ選んで買ったとか(もちろん普通は量り売り)、蒔絵筆は一旦ばらして良くない毛を除いてから組み立て直したとか(もちろん普通は妥協する)。

そうやって高みだけを目指して描かれた線、研ぎ出された面の、綻びのない美しさは人の手によるものとは思えないほどでした。

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永青文庫のあとはそのままぶらぶらと肥後細川庭園へ。
この紫陽花は絶妙な愛らしさ。 初めて見るタイプです。

2019年05月20日

南蛮文化館

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5月と11月のみ開館している大阪の南蛮文化館へ出かけてきました。

ここへ行こうと思ったきっかけは、数ヶ月前に出会った『清正公の南蛮服』の本。そこから興味をもった南蛮貿易のこと、南蛮漆器のことなど調べ始めたら止まらなくなり、たくさん予習してから出かけました。

読んだ文献で分析対象になっている漆器が、文化館では無造作に床に置かれていたりするのが面白かったです。おかげで至近距離で見ることが出来てたくさん収穫がありました。

漆器以外にも興味深いものがいくつかありました。
重要文化財になっている南蛮屏風は、長崎だか堺だかで繰り広げられた、異文化との接触がもたらす熱が伝わってきます。
描かれた"南蛮人"の、ヨーロッパから来た人たちと、途中で合流したらしき肌の色の黒い人たちの服地の違いが面白い。
後者は圧倒的に縞か格子なのです。南の異国を経由して来たものを総称して「島渡り」と呼んだことから、ストライプ柄を「縞」と呼ぶようになったというエピソードがようやくビジュアルで理解できました。

この頃は、インド綿もイタリアのビロードも、首飾りとしてのロザリオも、皆が飛びついて流行りに流行ったそう。

タイムマシンがあったら覗きに行ってみたい時空のひとつです。

2019年05月07日

トルコ至宝展は20日まで

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国立新美術館の必見の展示会。
20時まで開館していたG.W.の最終日に出かけてきました。

ムガール様式のエメラルドもダイヤモンドもすごかったですが、一番感動したのは真珠母貝で出来たベルト。
展示されていた衣服と同じ、静かで美しいペルシャ風の佇まいに、ため息が止まりません。
富があればいくらでも盛ることはできますが、さっぱりと洗練されたものはある程度時間をかけないと発現しないのかも。

展示会の大きなテーマのひとつがチューリップでした。
会場に並んだ「チューリップ用一輪挿し」、トルコ語には固有名詞があるようでした。彼の地におけるチューリップの存在の大きさが理解できます。

この日は混雑を避けて遅い時間に入ったので、閉館時間が近づくにつれ人がまばらに。
最後にもう一度見たいものをゆっくりと眺めて、美術館を後にしました。

肉眼で見えない部分が充実し過ぎているので、"つくり"に興味のある方は単眼鏡必携です。

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おまけは2012年のドルマバフチェ宮殿の庭園。
3月半ばのチューリップはまだつぼみでしたが、寂しくならないように満開のヒヤシンスとパンジーが植えられた風景もまた、素敵なものでした。