2017年08月07日

世界の絞り 絞りの世界

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日本の絞り、世界の絞りが一堂に。
文化学園服飾博物館で「世界の絞り」展を見てきました。

絞りの魅力はデザイン(設計)を詰められないことで生まれる、何かのような気がします。
何だろう・・・ 偶然がつくる無垢さ?
日本の「柳絞り」なんて、風に揺れてひとときも同じではない柳に、うまくなぞらえたなと思います。


一方、偶然性を緻密な手仕事で負かすような、超絶技巧的なものもいろいろありました。

日本代表は総鹿の子でしょうか。
その膨大な手間からくる稀少価値により、何度も廃れそうになっては富裕層が求め、復活した歴史があるようです。

インド代表のマイクロ鹿の子絞りには笑うしかない・・・絞りひとつの大きさ、2mmですって!
さすが、芥子粒のようなパールに穴を開けたり、1mmほどのブリリアントカットダイヤモンドを研磨したりと、くらくらするような細かい手仕事のあるところ。


そして徹底的に大らかなアフリカのものにも惹かれます。

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こちらは数年前にうちの子になった、ナイジェリアのアディレ。
もともと「アディレ」が現地語で「タイ・ダイ」の意味だそうなので、このキャッサバ防染の藍染も、昔は絞染めで作られていたのでしょうか。

世界中にさまざまな文化があるように見えて、根っこは同じようにも見えて、面白い展示会でした。
会期は9月4日までです。

2017年08月02日

南へ

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20年ぶりの沖縄。

いつかまとまった数の琉球漆器を体系的に見たい、と思っていたのですが、ちょうど良い展示会があったので台風の合間に飛んできました。

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今回の沖縄のメインは那覇の浦添市美術館、素敵な建物です。
展示会は琉球漆芸の歴史と技術がひととおり俯瞰できる、充実した内容でした。

会場内は基本的に撮影可能です。

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絣模様を背景に芭蕉の葉を配したこの箱は、テクニックとテロワールとの調和が心地よく、素敵。

ずっと正体が分からずモヤモヤしていた堆錦のことも少し自分なりの解釈ができ、別の日には地元の作家の方にお話を伺う機会にも恵まれて、収穫の多い旅になりました。 

夕暮れの首里城、蝉の喚くガジュマル、どれも鮮烈な記憶だけど、これも忘れられない。

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これが終わってほしくない、このままずーっと食べ続けていたいと思ったのは、クアラルンプールのドリアン屋台以来かも。


話は戻って、浦添市美術館の 「技あり!琉球漆器 Part2」 展は、2017年9月10日(日)までです。 暑いです。

2017年07月29日

アーティスト

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暑い日の夕方、国立新美術館のジャコメッティ展を見に行きました。

本物の探求家(アーティスト)である本人が、興味の対象です。
美術商でない私にとっては、細長い彫刻や的確なタブローは、探求の人生の途中で結晶したおまけみたいなもの!

さらりと見終わって一番心に残ったのはジャコメッティと矢内原のツーショット写真。
驚くほど佇まいの似たふたりの親交や、アネットとふたりの関係は、人の本質のある部分をみるよう。

一番おもしろいアートは人間の生きる様だわ、と改めて思いました。

2017年07月17日

箱・筥・筺

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どこもかしこも緑が濃い、(限りなく猛暑日に近い)真夏日。

サントリー美術館へ「神の宝の玉手箱」展を見に行きました。
「箱」でなく、「筥」や「筺」だと納められた物や空間に神秘性が宿る気がします。漢字っておもしろい。

会場は、こんなに重文・国宝率の高い展示会ってあったかしら?という充実ぶりです。

修復品と復元品の両方が見られるのは面白かった。
復元は修復よりある意味で難しい仕事ではないかと思います。作り手の何かが出てしまう。出るんじゃなくて超えないと納得してもらえない上に、違っちゃいけない。

秋野鹿蒔絵手箱の模造品は、眺めているだけで幸せになります。
図案も素敵だし、LEDかと思うような鮮烈な光を放つ夜光貝も不思議で美しくて、子供みたいに興奮します。

あと木画蒔絵菊花文透冠棚の寄木細工はすごかった。
手間や技術をすごさとして見せずに、すっきり洗練されているところが好きです。
元の持ち主(注文主)が松平不昧公という説明に、なんとなく納得。

会期終了までに滑り込めてよかった!

2017年07月12日

漆絵のこと

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気づいたら、気になっていた展示会のいくつかが、終了間近。

練馬区立美術館の 「漆の画家 太齋春夫展」へ出かけました。

戦前に特許をとったというモザイクや絵塗膜は、今となっては美的なものも含めあまり価値を感じられないのですが、
漆絵がとても良かったです。

どの絵を眺めても、風土と素材がしっくり調和した心地よさを感じます。
「東尋坊」や「南方の男」には特に惹かれました。

漆の性質上ついてまわるのが色系統の狭さですが、そこを足りないと感じさせない表現力。
むしろ漆ならではの質感の豊かさが味わい深く、見飽きることがありません。 漆絵はアジアの住まいに合うな、と思いました。

遠出になりましたが行って、見て、良かった。


写真は、間違って貼っちゃった画像ではありません。
練馬区立美術館前で、すっくと勇ましく看板を支えるクマです。

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こちらは帰りに撮った別の角度なのですが、この肩のあたりに癒やされるのは私だけ?


2017年06月27日

入道雲

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南国の入道雲。
山が近いので積乱雲だらけ! 毎度これを見ると元気になります。

今回もよい素材を手に入れることが出来ました。
どれも自然が長い時間をかけて育んだ、限りある、唯一の素材です。
そして装身具も人の歴史と同じくらい長い、本質的なもの。

これから、手に入れた貴重な素材と、"今"の装いを、ひとつずつ大事につないでいきます。

東京は涼しいですね。 ・・・で、週末はもう7月!

2017年05月20日

技を極める−ヴァンクリーフ&アーペル 展

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京都国立近代美術館で『技を極める ーヴァンクリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸』展を見てきました。

日本の工芸品とハイジュエリー。
ただ隣に在る以上のケミストリーが見られるどうか、興味があったのです。

素敵な組み合わせは、ダイヤモンドのバングルと海野勝民の銀の花壺。
最も光を反射するふたつの素材の相性は抜群、ふわっと明るいオーラが広がっていくようです。

七宝や蒔絵の有機的な細やかさの前では、どうしても大味に見えてしまうジュエリーの数々。
ギメルならどうだろうとふと、思いました。


写真は会場内で、唯一撮影可能だった場所。
ヴァンクリーフ&アーペル社で昔使われていたものでしょうか。

実際の使いやすさはともかく、ここに陣取って何か作ってみたい!と思わせる作業テーブルです。

2017年05月04日

紫の石のゆびわ

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メゾンエルメスのル・ステュディオで、『La migliore offerta(邦題:鑑定士と顔のない依頼人)』を観ました。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の2013年の作品、英語の映画ですがロケ地のメインは北イタリアです。
イタリアンブランドの協力で素敵な小道具も楽しめる、面白い映画でした。

広大なヴィラや美術品のオークション会場など、興味深い環境で繰り広げられるストーリー。
謎だらけの冒頭から、初老の紳士(鑑定士)とミステリアスな若い女性(査定依頼人)が苦労しながら少しずつ理解しあい、紳士は残りの人生を彼女と共にすることを決意・・・

観ている人が、これがミステリー映画だったことを忘れそうになる頃、登場するひとつの指輪があります。
紳士が宝飾店で、いくつか勧められた中から確信をもって選ぶ、深い紫の石の指輪。
ブルーのサファイアならごく無難な選択なのに、彼がわざわざ選んだ深い紫の石(アレキサンドライトなら話が出来過ぎ)は、その先に待つ出来事を物語るような、ミステリアスな美しさです。

ル・ステュディオの2017年のテーマは「オブジェに宿るもの」だそう。
数々の美術品とともにこの指輪も、多くのことを宿して語るオブジェのひとつに見えました。

写真はいただいた映画のパンフレットと、イタリア映画にちなんで?可愛い包み紙のカラメッラ。

2017年04月26日

ファッションとアート 麗しき東西交流

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桜のあとを追いかけるように、満開のハナミズキ。
東京都(当時の東京市)がワシントンD.C.へ贈った桜の返礼として、贈られた樹だそうです。

横浜美術館の 『ファッションとアート 麗しき東西交流』 展に出かけました。

露木宏氏の講演会「日本のジュエリーの歴史と美」を聴いたあと(いつもながら面白いお話!)、
展示室をゆっくりと巡ります。

芝山細工の屏風、フランスの羊歯模様のトレーンに、見入ったり、100年以上前の三越のポスターに唸ったり。
ポスターや絵画は、描かれた和服の着こなしが面白かったです。
幅広く見せた半襟にブローチを着けるとか、襟につけた乳(チ、です念のため)からチェーンを下げるとか、今は目にしないアクセサリーづかいがいろいろ。

フランスや米国のドレスも素敵でした。中には、「これホントにジャポニスムの影響?」と思うものもありましたが、どれも魅力的なことに変わりはなく。 そして私の糸菊ブームが再燃しそうな気配・・・

帰りに初めて立ち寄った横浜美術館の情報センターは、美術工芸、建築、アートに特化した図書館でした。
持ち上げるのにも苦労するような大型書籍(全集系)や、全国の展示会カタログが充実しています。

この日は以前から探していた内容の資料が見つかり、収穫の多い一日になりました。


『ファッションとアート 麗しき東西交流』は6月25日まで。
着物、ファッション、ジュエリー、テキスタイル、お好きな方にはお勧めです。